2011年3月26日土曜日

矩形ループコイルの自己インダクタンス

付録E.3.4 「部分インダクタンスの応用」
に、以下の式が書いてあります。
この自己インダクタンスの式を厳密に計算すると、
になると書いてあります。


一方、詳解電磁気学演習(共立出版)の278ページにも
自己インダクタンスの計算結果の解答があり、
その結果は、以下の式であると書いてあります。
同じ結果をあらわした式と思いますが、
この付録E.3.4の式の方がエレガントに見えます。


【両者の式が同じ式である証明】
この証明は、
a*ln(2a/r)+b*ln(2b/r)-a*sinh-1(a/b)-b*sinh-1(b/a)
=(a+b)ln(2ab/r)-a*ln(a+√(a2+b2))-b*ln(b+√(a2+b2))
を証明すれば足ります。
以下で、これを証明します。


α≡sinh-1(P)
とおきます。
このとき、
P=sinh(α)=(eα-e)/2
です。


u≡eα
とすると、
u2-2Pu-1=0
これから、
u=P+√(P2+1)


u≡eα
ですから、
α=ln(u)=ln(P+√(P2+1))
そのため、
a*ln(2a/r)+b*ln(2b/r)-a*sinh-1(a/b)-b*sinh-1(b/a)
=a*ln(2a/r)+b*ln(2b/r)-a*ln((a/b)+√((a/b)2+1))
-b*ln((b/a)+√((b/a)2+1))
=(a+b)ln(2ab/r)-a*ln(a+√(a2+b2))-b*ln(b+√(a2+b2))
(証明おわり)

明瞭な英語表現

この本の英文は、とても明瞭な英文と思います。
そのため、技術英語を学習されている方は、この本の明瞭な技術英文に親しむことで、英語の学習を効率良く進められるのではないかとも考えます。
アメリカ、イギリス等の英語圏に技術留学することを考えられている方に、本書をお勧めしたいと思います。

翻訳を世に出すには

この本を日本語に翻訳して世に出せないかと考えています。
しかし、出版社の経営はとても厳しいようです。


本の出版にかける費用に見合う本の売上を出版社に補償してやらないと、出版社が製本に及び腰になるのではないかと考えられます。


そのため、翻訳本の購読者を集めるのが、今後の課題と思います。

本ブログの目次

本ブログの書き込みページを、以下の本の内容(目次)に対応させて分類して、リンク集として整理しました。

Electromagnetic Compatibility Engineering
Ott,Henry W.【著】

【目次】

まえがき&翻訳プロジェクト

第1部EMC理論

1章 電磁環境適合性
2章 ケーブル布線
3章 グラウンド
4章 平衡化とフィルタリング
5章 受動素子
6章 シールド
7章 接点の保護
8章 固有雑音源
9章 能動素子の雑音
10章 デジタル回路の接地

第2部EMC応用編

11章 デジタル回路の電源分配
12章 デジタル回路の放射
13章 伝導雑音
14章 RFと過渡イミュニティ
15章 静電気放電(ESD)
16章 PCBの配置と積層
17章 混合信号PCB配置
18章 事前適合EMC測定

付録

付録A デシベル
付録B あなたの製品からの放射を最大にする方法のベスト10
付録C 薄いシールド内での磁界の多重反射
付録D みんなに分かるアンテナ
付録E 部分インダクタンス
矩形ループコイルの自己インダクタンス
付録F 問題解答集

Electromagnetic Compatibility Engineering Ott,Henry W.【著】

 この本は、最新技術の宝庫です。
また、この本の英語は明瞭で、技術英語の学習にとても役に立つように思います。
そのため、この本を学習していきたいと思います。
更に、この本を日本語に翻訳することで、この本が提供する知識を日本に流布させることが出来ないかと考えています。